薄毛、脱毛は毛周期が狂うことで起きてしまうお話をしていますが、もう少し深く追求してみましょう。
まず、人間の身体は、男性ホルモンと女性ホルモンがバランスよく存在しています。それらは、男性にも女性にもあり、毛周期を正常に動かしています。
もう一つが、髪の構造です。
大きく分けて毛母細胞、毛乳頭、皮脂腺があります。この三つは毛髪の根本にあります。
毛乳頭、皮脂腺の中には、男性ホルモンの5αリダクターゼというものがもともと存在し、それは髪の成長を助けている善玉ホルモンです。
男性型脱毛症は、たくさんの男性ホルモンが成長の助けをしますが、毛乳頭または皮脂腺どちらかに入り込んでしまうことがあり、たどりついた男性ホルモンと5αリダクターゼが結合してしまうと、不幸にも5αリダクターゼ(善玉)が悪玉リダクターゼに変化してしまうのです。悪玉リダクターゼは、男性ホルモンを10倍から30倍の量に変えてしまいます。
この不幸が、適度なホルモンバランスを崩し、毛周期を狂わせて脱毛が始まってしまいます。
毛乳頭に入り込んだときの脱毛は5αⅡ型、皮脂腺に入り込んだときの脱毛は5αⅠ型になります。
5αリダクターゼがない方の場合はフサフサの毛髪です。
女性は、卵巣でホルモンを作り、髪に艶をあたえ女性らしさを表現します。
女性男性型脱毛症は、5αリダクターゼではなく女性ホルモンの減少が大きな影響をあたえます。
脱毛が始まる年齢は個人差はありますが、50代からが多く、原因は加齢、閉経前後のホルモンの減少、動脈硬化により毛包、毛母細胞などへ血がめぐらない、などさまざまです。
若い方は、ダイエット、ピル、ストレス、自己免疫疾患などの原因で女性ホルモンの減少から毛周期が狂い脱毛してしまいます。
男性と女性の過程は違いますが、毛周期を狂わせてしまう事で毛乳頭、毛母細胞、皮脂腺、毛包と、髪の根本が弱ってしまうことは同じです。
ホルモンが関係することをご理解していただけたでしょうか?
毛乳頭、毛母細胞、皮脂腺、毛包・・・など毛の根本に組織細胞があり、それらは活発に動いています。
この細胞たちは自分で動いているのではなく、FGF(線維芽細胞増殖因子)が司令を出しているのです。
因子はたくさんの種類がありますので、【因子のお話】を参照ください。
お話してきた細胞組織を活発にさせるには、きれいな血液が必要です。
この血液の工場は腎臓です。育毛の原点は腎臓のような気がします。